ブラキシズムの問題点

ブラキシズムはどうして問題なの?

ブラキシズムは、歯・歯肉・歯槽骨(歯を支える骨)とその周辺の組織に、さまざまな影響や弊害を及ぼします。
歯や周辺の骨などが受け止める咬む力は、強い人では70kgを超える、とても大きな力です。
ブラキシズムはの場合、その大きな力が持続的に加わるため、硬いものを食べるときのように一瞬だけ強い力がかかる場合よりも、ずっと大きな影響が出るのです。

歯の変化

歯がすり減る

ブラキシズムはにより激しく歯どうしをこすりあわせるために、硬いはずのエナメル質もすり減ってしまい、なかの象牙質が見えてきています。

ときどきしみたりしますし、残ったエナメル質の部分が薄くなって強度が落ち、歯が割れやすくなります。
もっとすり減ると、露出した“歯髄”という歯の神経に細菌が感染し、歯髄に炎症が起こってしまいます。

また、力の影響で歯髄が死んでしまったり、歯の根の船体に炎症が起きることがあります。腫れたり、咬むと痛みが出たりします。

歯がしみる(知覚過敏)

ブラキシズムのために、むし歯でもないのに、歯がしみることがあります。

冠や詰め物がはずれる

力のかかり具合によっては、たびたび冠やつめものがはずれたりします。

歯が割れる

強大な力で激しくこすり合わせることにより、歯そのものが割れてしまうこともあります。歯髄が残っている歯でも割れることもありますが、神経を失った歯の場合、強度が落ちてくるため、いっそう割れやすいのです。
割れてしまうと、治療のしようがなく、残念ながら抜歯しなければならないことが多くなります。

歯肉やあごの骨(歯周組織)の変化

歯周病にかかっている歯に、さらにブラキシズムによって大きな力が加わると、急速に歯肉や骨(歯周組織)の状況が悪化することがあります。

正常な歯周組織のX線写真

ブラキシズムによって歯周病が悪化している歯のX線写真
矢印は骨が吸収したところ

さまざまな器官への影響

ブラキシズムは、歯や歯周組織の異常だけではなく、顎の関節や顔面の筋肉などに悪影響を与えることもあり、頭痛や肩こりといった症状と関係していることもあるのです。

骨の隆起:これって歯肉の腫瘍?

写真の矢印部は、歯ぐきが膨らんで、触れると硬く骨ばっています。これは遺伝や咬みあわせ、強い咬合力などにより、骨が部分的に増殖したもので、上あごの中央部、下あごでは犬歯の内側付近にできることが多いようです。病的なものではないので、問題がなければ取り除く必要はありませんが、入れ歯を作るのに障害になったり、食事に影響が出るような場合には、外科的に取り除きます。

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