小児歯科
人の口腔器官が完成する標準的な時期は、18~20歳頃です。
小児歯科では、おおむね「乳幼児期から永久歯がはえ揃う学童期」まで(12~13歳)を対象としています。
成長・発達の途上にあるお子様の「歯と口腔の病気や異常の予防と治療」、さらには「長期的な口腔管理(定期診査)」を担当し、口腔の健康維持・増進にとって大切な「食生活」や「生活習慣」をお子様に身につけていただくお手伝いをします。
「歯や口腔」との一生をかけてのお付き合いを、最良のスタートではじめましょう。
乳幼児期について
お口の特徴
生後6か月ごろから乳歯が生え始め、3歳児ごろに生えそろいます。
オーラルケアのポイント
乳歯が生え始める頃に、虫歯菌が保育者(主に母親)から感染します。感染の時期が遅ければ遅いほど、子供の虫歯リスクは低くなるので、子供の周りにいる人は、お口を清潔に保つよう心がけましょう。 乳歯は永久歯に比べて、虫歯菌の出す酸に歯が溶けやすく虫歯になりやすいので、仕上げ磨きを行い、おやつや砂糖入りの飲み物の与え方に注意しましょう。
保護者による歯磨きを習慣化し、子供が歯磨きに慣れるよう努めましょう。
乳幼児期から学童期の歯磨きについて
乳幼児期の歯磨き
上の歯が生え始めたら
水を含ませたガーゼや脱脂綿などを指先に巻き付けて、歯の表面の汚れをやさしく拭き取って下さい。このころは手にしたものを何でも口に入れたがるので、歯ブラシを遊びの中に取り入れ、歯ブラシに慣れさせましょう。
また、お母さんは口の中を見る習慣を付けましょう。
1才になったら
少なくとも、朝と晩の2回くらいは小さなやわらかい歯ブラシを使って、やさしく歯面の汚れを取ってあげましょう。
乳児期の歯磨き
1才6か月~2才頃
自我がだいぶ強くなり、一人で歯磨きをしたがります。不十分ですから必ず後で見てあげましょう。 歯ブラシは子供の口の大きさにあったものを選んで下さい。
3才を過ぎたら
不十分ながら一人で磨けるようになります。しっかり磨けるよう訓練を始めましょう。乳歯の虫歯が急増する時期ですので、必ずお母さんが仕上げ磨きを行って下さい。
磨いた後は、忘れずにほめてあげましょう。
学童期のオーラルケアのポイント
乳歯の永久歯が混在する時期のため、お口の中が複雑になり歯磨きが難しくなります。
生えたての永久歯は、虫歯菌の出す酸に溶けやすく虫歯になりやすいので、歯並びや歯の大きさに合った歯ブラシの選択と保護者による仕上げ磨きをしっかり行いましょう。フッ素入り歯磨剤もおすすめです。
おやつについて
お口に食べ物が入る回数が増えると虫歯になるリスクが増えます。おやつは時間を決めてとりましょう。
口腔内pH値の変動
脱灰(だっかい)
食事をすると、プラークに存在する細菌が酸を出すので、口腔内は酸性に変化します。
再石灰化
唾液の働きにより、pH値はしだいに中性に戻ります。その際、溶けだした成分が歯に再沈着する事です。